禅〜凛と生きる〜|曹洞宗近畿管区教化センター

禅のお話

今月の法話

生活習慣を見直そう

兵庫県 最明寺住職 大槻覚心 老師

子供の心が見えないと悩んでおられる人がいます。
事情を聞くと、一緒に暮らしていても、親子がお互いに会話を交わすこともなく、顔を合わすことも稀だといわれるのですから、子供の心が見えなくても仕方がないといえます。

その家庭に限らず、家族そろって団欒している光景が少なくなっています。家族がそれぞれの室に分かれて時間を過ごすため、子供たちは大人の監視を逃れてゲームやテレビやビデオに熱中してしまい、ついつい夜更かしをする子供もいます。その結果、体内リズムを崩したり、ホルモンの分泌を乱したり、情緒障害になったりします。
大人も基本的な生活習慣の乱れている人が少なくありませんから、子供たちが夜更かししているのに叱ることさえできない人もいます。子供たちは夜更かしが続くと、攻撃的になったり、落ち込んだりして、学校にも行かない子供たちがでてくるのです。ですから、不登校生児童を登校させる近道は早寝早起きの習慣をつけさせることがなによりも大切なことです。

とにかく、基本的な生活習慣はどの子供にとっても、将来生きていくための基本ですから、できるだけ早い時機に親が手本を示して教えなければならないことだと思います。統計的にも早寝早起きの子供に不登校の子供はほとんどいません。生活習慣を正すだけで、子供は見違えるように変わります。

大人はもっと自信を持って、子供の基本的な生活習慣を、正しく指導する義務があるのではないかと思います。

2004/04/07
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