禅〜凛と生きる〜|曹洞宗近畿管区教化センター

禅のお話

ほとけに出逢う

第2回 心をもち来たれ、汝が為に安んぜん−達磨大師−

読み(こころをもちきたれ、なんじがためにやすんぜん−だるまだいし−)

摩訶迦葉尊者から28代目の祖師が、達磨大師です。達磨大師まではインドの祖師ですから、西天の二十八祖と言います。
達磨大師は、南インド香至国の王子さまでしたが、仏法を正伝されて中国へ来られ、嵩山の少林寺で毎日坐禅をしておられました。達磨大師は第二十八祖ですが、中国(東土。また震旦とも言う)では初祖です。

そこへ来られたのが慧可(えか)大師です。 雪の降りしきる夜、立ちつくして入門を乞われます。明け方、雪は膝を過ぎるまで積もりましたが、達磨大師は許されません。慧可大師は遂に利刀を取って自分の臂を断って師の前に置かれ、ようやく許されました。

以下は慧可大師と達磨大師との問答です。

(慧可)
「私の心は寧らかではありません。どうか安んじてください」
(達磨)
「では、心を持ってきなさい。安んじてあげよう」
(慧可)
「心を求めましたが、得ることができません(心を求むるに不可得)
(達磨)
「私はお前の為に心を安んじ終わった」

慧可大師は安心を得ようとされました。「心というものを持ってくれば安んじよう」と達磨大師に言われて、その「心」は「得られない」ということに気付かれたのです。この「心」とは、「正法眼蔵涅槃妙心」の心です。

真実は広大無辺、私たちが手を着けることはできません。手を着けて、これが真実だと思ったら、それはもう真実とは別ものです。真実には手応えがありません。しかしその真実に私たちは事実として生かされているのです。ここに気付かれた慧可大師は、本当の安心を得られ、東土の二祖となられました。

2007.07.16 掲載
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