禅〜凛と生きる〜|曹洞宗近畿管区教化センター

禅のお話

ほとけに出逢う

「仏」とは、お釈迦さま(釈迦牟尼仏)のことです。「祖師」とは、お釈迦さまの後継ぎとなられた摩訶迦葉尊者、達磨大師や六祖慧能禅師、高祖道元禅師や太祖瑩山禅師などです。仏さまの正法を正しく受け継がれた方です。一器の水をそのまま一器に移すように、そっくりそのまま身をもって法を受け継がれています。両方あわせて「仏祖」と言います。仏と祖です。

仏と祖とは区別されます。「混同してはいけない」と道元禅師は示しておられます。それはなぜかは今は申しませんが、心に止めて参究してください。
一方、仏=祖として説かれる場合もあります。これも心に止めて、両方を参究してください。

この仏法は、達磨大師によって中国に伝えられました。達磨大師は9年間、黙って坐禅をしておられましたので、人びとはその意を測りかね、「坐禅宗」と呼び、後には略して「禅宗」と言われるようになりました。
しかしそれは宗派の一つとしての「禅宗」ではありません。正しく伝えられた仏法そのものです。
したがって道元禅師は、「禅宗」とも「曹洞宗」とも言うべきではない、と示されています。宗派という小さなものは仏法ではないからです。これら言葉を使うときは、便宜上であることを忘れてはなりません。

これから、仏の言葉・祖師の言葉によって、「仏法そのもの」を学んで行きたいと思います。

執筆:兵庫県 弘誓寺 能勢隆之 老師
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