教えと心得

教えの根本は何ですか?

宗旨

曹洞宗は、お釈迦さまより歴代の祖師(そし)方によって相続されてきた「正伝(しょうでん)の仏法(ぶっぽう)」を依りどころとする宗派です。それは坐禅を依りどころにしており、坐禅の実践によって得る身と心のやすらぎが、そのまま「仏の姿」であると自覚することにあります。

そして坐禅の精神による行住坐臥(ぎょうじゅうざが)(歩くこと、とどまること、坐ること、寝ることを意味し、生活すべてを指します)の生活に安住し、お互いに安らかでおだやかな日々を送り、人間として生まれてきたこの世に価値を見いだします。

教義

私たちが人間として生を得るということは、仏さまと同じ心、「仏心(ぶっしん)」を与えられてこの世に生まれたと、道元禅師はおっしゃっています。「仏心」には、自分の命を大切にするだけでなく他の人びとや物の命も大切にする、他への思いやりが息づいています。しかし、私たちはその尊さに気づかず、我がまま勝手の生活をして、苦しみや悩みのもとをつくってしまいがちです。

お釈迦さま、道元禅師、瑩山禅師の「み教え」を信じ、その教えに導かれて、毎日の生活の中の行い一つひとつを大切にすることを心がけたならば、身と心が調えられ私たちのなかにある「仏の姿」が明らかとなります。

日々の生活を意識して行ない、互いに生きる喜びを見いだしていくことが、曹洞宗の目指す生き方といえましょう。