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食事訓に学ぶ 5

京都府 苗秀寺住職 大谷俊定 老師

 

 食事訓の5番目を味わってみましょう。
「成道の為の故に今此の食を受く」
であります。
もともとは「お釈迦様と同じように真実の道を達成するためにいただきます」
という意味ですが、私は敢えて次のように解釈しています。
「この世に命と縁を以て生まれてきた私たちは、それぞれの立場において、子孫達に誇れるような、くいのない人生を送るために、この食事を頂きましょう」
このように解釈をさせていただいております。

  この世に生まれてくることも、自分の意思ではどうにもなりません。ましてや、日々を健康で生き抜いていくこと自体、大変なことです。
毎日元気でいることが当たり前のように思っていても何時、どこで、どのようになるかは、一分先は何の保障もありません。

  さて、最近は小学生、中学生に止まらず、学力の低下が危ぶまれ、何とかしなければと叫ばれています。
  本当の意味の学力とは何でしょうか。
学校の勉強がわかることでしょうか。それともテストの点数が良いことでしょうか。
私は、好奇心旺盛な子供たちの意欲を伸ばしていくことではないかと思うのです。どれだけ、問題が解けたかではなく、どれだけ解くことが面白いかということではないかと思うのです。

  知識も使い方によっては凶器となります。
多くの知能犯罪は学力という知識が凶器となった結果でしょう。
凶器となった知識は、使った人も使われた人も「不幸」と言う二文字に踏み潰されてしまいます。
そこには「成道のための故に」と言う心はありませんね。
知識はないよりあるほうが良いのです。
しかし、知識は輝ける人生を全うするためのひとつの条件でしかありません。輝ける人生は、御仏のこころに少しでも近づかせていただくという祈りと誓いを絶えず持たせていただくことでしょう。
「成道のための故に」という言葉に、私たちの人生の理想と幸せを見出したいものです。


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